原田氏は、人口減少により暗い社会が訪れるという一般通念に対し異論を述べる。そもそもいわゆるピラミッド型の人口構成というのは、幼児から高齢者までどの年齢層でも誰かがいつも死亡する社会、寸胴型の方が多くの人が天寿を全うする幸せな社会だと認識を改めた上で、しかしこれまでより少数の労働者が多くの高齢者を支えるにはそれなりの仕組みが必要であるとする。一人あたりの生産性を上げることと共に、新たな労働力として女性の活用を図ること、そして、今のままでは破綻する年金制度は抜本的に改革する。年金の支給水準は多少下げても世界で最も高い水準にあること、少ない人口の方が生活環境に恵まれることを納得した上で必要な改革が出来れば、人口減少社会はむしろ楽しいものになる、と原田氏は主張する。
英語の原文: "Is there reason to be pessimistic about Japan’s declining population?"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20030916_harada_is/