猪口氏はアンケート調査にもとづいて、日本人は国家的なアイデンティティが強くなく、アジア人としての意識も希薄であること、また韓国人は逆に韓国人およびアジア人としての意識が強いこと、さらに中国人は中国へのアイデンティティは強いが、アジア人としての意識は比較的弱いことを指摘する。その上で、このような違いが東アジアの経済協力と地域統合にとってマイナスになるほど大きな要因でなく、むしろ国家間の信頼や、金融面での回復や、米国の動きが、東アジアの地域的アイデンティティの形成と地域協力を促進する上で重要な役割を果たすと述べている。
英語の原文: "Does Identity Matter in Facilitating or Hindering Regional Cooperation in East Asia?"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20031027_inoguchi_does/