畠山氏は、今年10月にメキシコとの自由貿易締結交渉が決裂したことを踏まえ、日本は重要な分岐点にさしかかっていると警告する。メキシコは、そもそもWTO中心主義であった日本に対し、FTAも検討したらどうかと提言した国であり、既に世界の多くの国々とFTAを締結しており、さらに産業構造も日本とは概ね補完関係にあるところから、最初の交渉国としては最も適切であった。FTAが構造改革に大きく寄与するということを日本政府は認識する必要がある。また中国がアジア諸国に迫っているのを傍観すべきでもない。ただしメキシコとの交渉決裂で、政府にも改めてFTAの重要性を見直す機運が現れており、今後のアジア地域のFTA、更にWTOドーハ・ラウンド妥結へ向けての日本のリーダーシップに期待したい、と畠山氏は述べる。
英語の原文: "Failure of FTA Negotiation with Mexico Signals Trouble for Japan"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20031211_hatakeyama_failure/