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注目記事 (2004/7/26)

Opinions:
 
「21世紀型政府の構想が必要」
 佐々木 毅 (東京大学学長)
  
   佐々木氏は、政府が従来担ってきた役割を見直し、21世紀型の新しい政府を構想する段階に来ていると指摘する。
   小泉改革には二つの側面が関わっている。一つは、不良債権問題の解決に代表される経済構造改革であり、第二は郵政や年金など、政府・公的部門の構造問題を解決することである。
   前者については、政権の姿勢としては、民間部門による構造改革を我慢強く待つことであり、その結果、戦後の日本における政治と経済の関係を変えた一方、所得格差の拡大や雇用環境の急変をもたらした。したがってこの評価は国民各層で異なり、先の選挙でも経済回復の数字ほどには内閣の支持は得られなかった。
   しかし、第二の側面は、政府の構想力と実力が直接問われるテーマであり、「民営化」という単純な言葉で表現できるものではない。今必要なのは、政府部門の役割と機能の再定義であり、新しい21世紀型の社会経済に対応できる政府を構想しなければならない。
英語の原文: "Political Agenda after the Upper House Election
- Need to Show a Blueprint of the Government for the 21st Century"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20040723_sasaki_political/
 
Debates:
 
「台湾海峡の静寂はいつまで保てるか?」
 ユ・ビン (ウィッテンバーグ大学準教授)
  
   ビン氏は、中国と台湾が互いに武力を誇示する状況を踏まえ、台湾海峡での軍事対立が深刻化する懸念を表明する。
   台湾で陳水扁総統が再選されてから、中国は危機意識を強くしている。七月半ばの、海峡地域での18,000人規模と最先端の武器を用いた大演習について、中国は異例の公表を行った。かたや台湾も、1978以来という、高速道路を戦闘機の離着陸用滑走路として使用する訓練を行っている。折りしも米国は、保有する12隻の空母のうちの7隻を西太平洋に集結して、空前の規模の大演習を行った。
   台湾問題は、一方で、政治体制より以前の、世界中の中国系の人々の心情が絡みつつ、他方で、朝鮮半島の安定を望む米国や周辺諸国の思惑が反映されるデリケートな、粘りと根気と時間を要する問題であり、上記のような示威行動の応酬は、交渉の戦術の一部であるという見方が多いとは言え、懸念される動きである。
英語の原文: "All Still Quiet Across the Taiwan Strait, but for How Long"
http://www.glocom.org/debates/20040723_bin_all/
 
Debates:
 
「イラク:暴露された諜報機関の神話」
 グレゴリー・クラーク (国際教養大学副学長)
  
   クラーク氏は、今回公表された米上院報告により、米英の諜報機関がでたらめな報告を行っていたかが確認されたことを踏まえ、改めて米英のイラク攻撃を非難するとともに、現代の諜報の問題を指摘する。
   イラク戦争以前から、冷静に考えれば、弱体化したイラクが大量破壊兵器を大量に保持することなど出来ないことは明らかであった。また、アルカイダとの協調どころか、フセイン政権はイスラム過激派の掃討を推進し、アルカイダ側もフセインを敵とみなす生命を発表していた。
   問題の根本には、政治家の思惑もさることながら、政治・軍事に関する情報に対するアクセスが限られていることにある。仮に、政治・軍事情報が経済情報のように常に普遍的に公表され、誰でもその情報を分析できるような世界であったならば、一部の「専門家」による分析と見解に引き摺られて道を誤るような危険は大きく減少するのではないか。
英語の原文: "Iraq: Myths of Intelligence Exposed"
http://www.glocom.org/debates/20040722_clark_iraq/
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