佐々木氏は、政府が従来担ってきた役割を見直し、21世紀型の新しい政府を構想する段階に来ていると指摘する。
小泉改革には二つの側面が関わっている。一つは、不良債権問題の解決に代表される経済構造改革であり、第二は郵政や年金など、政府・公的部門の構造問題を解決することである。
前者については、政権の姿勢としては、民間部門による構造改革を我慢強く待つことであり、その結果、戦後の日本における政治と経済の関係を変えた一方、所得格差の拡大や雇用環境の急変をもたらした。したがってこの評価は国民各層で異なり、先の選挙でも経済回復の数字ほどには内閣の支持は得られなかった。
しかし、第二の側面は、政府の構想力と実力が直接問われるテーマであり、「民営化」という単純な言葉で表現できるものではない。今必要なのは、政府部門の役割と機能の再定義であり、新しい21世紀型の社会経済に対応できる政府を構想しなければならない。
英語の原文: "Political Agenda after the Upper House Election
- Need to Show a Blueprint of the Government for the 21st Century"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20040723_sasaki_political/