石塚氏は、小泉総理のいう「構造改革」には不明瞭な点が多いが、グローバル化によって変化が発生しつつあると期待する。
小泉総理は「構造」という用語そのものが含む不明瞭性を上手く利用し、充分に具体的な説明を行わないまま、漠然たるイメージのままに政策指針として利用していた。一方、国民の側も、改革の具体化に伴う「痛み」の可能性への虞から、敢えて具体化を強く求めて来なかった面もある。
構造改革とは、戦後の日本を仕切った官僚制度の打破であるという考え方がある。官僚に支配された議事社会主義のままでは、充分な競争力が働かないという懸念である。郵政民営化はこの線に沿った改革と言えるかも知れない。もうひとつの考え方は、日本は強い競争力を持つ輸出産業と、低い生産性のまま生き長らえている農業・サービス分野があり、従来は輸出産業により低効率産業が補填されていたが、輸出市場での競争相手が台頭する中、低生産性分野の改革を行う必要がある、という考え方である。
何れの考え方に同調するにせよ、グローバル化によって、日本は否応無く変革が必要な段階に来ている。
英語の原文: "Postwar System Needs Remodeling"
http://www.glocom.org/debates/20040813_ishizuka_postwar/