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注目記事 (2004/8/16)

Debates:
 
「戦後のシステムは変革が必要」
 石塚雅彦 (フォーリン・プレスセンター評議員)
  
   石塚氏は、小泉総理のいう「構造改革」には不明瞭な点が多いが、グローバル化によって変化が発生しつつあると期待する。
   小泉総理は「構造」という用語そのものが含む不明瞭性を上手く利用し、充分に具体的な説明を行わないまま、漠然たるイメージのままに政策指針として利用していた。一方、国民の側も、改革の具体化に伴う「痛み」の可能性への虞から、敢えて具体化を強く求めて来なかった面もある。
   構造改革とは、戦後の日本を仕切った官僚制度の打破であるという考え方がある。官僚に支配された議事社会主義のままでは、充分な競争力が働かないという懸念である。郵政民営化はこの線に沿った改革と言えるかも知れない。もうひとつの考え方は、日本は強い競争力を持つ輸出産業と、低い生産性のまま生き長らえている農業・サービス分野があり、従来は輸出産業により低効率産業が補填されていたが、輸出市場での競争相手が台頭する中、低生産性分野の改革を行う必要がある、という考え方である。
   何れの考え方に同調するにせよ、グローバル化によって、日本は否応無く変革が必要な段階に来ている。
英語の原文: "Postwar System Needs Remodeling"
http://www.glocom.org/debates/20040813_ishizuka_postwar/
 
Debates:
 
「アジアカップ:日本は中国の観客を批判すべきではない」
 フィリップ・ヤン (香港英語普及協会理事)
  
   ヤン氏は、サッカーの試合において、日本選手とファンが中国の観客による非難の的になるのは当然であると主張する。
   スポーツは政治とは距離を置くべきであるという理想論は、双方が道徳的に対等な立場にある場合のみ成立する。中国の観客の行動を非難する人達に対しては、症状を見るのでは無く原因を見据えるべきだと反論する。日本のために犠牲になった中国人たちにとって、戦争中に血塗られた手を未だ洗っていない日本のサッカー選手達に拍手送ることなどは到底できない。
   日本に対して中国人が起こす訴訟はことごとく退けられている。また、中国政府は独自の理由から、一般大衆が反日行動を起こすことを許可しない。このような抑圧された状況の中で、大衆が国際社会に主張を行うことができるのは、サッカー競技場でしかない。
   日本政府は、日本が中国に対して行った犯罪を改めて肝に銘じる必要がある。
英語の原文: "Asian Cup: Why Japan Shouldn't Criticise Chinese Fans"
http://www.glocom.org/debates/20040810_yeung_asian/
 
Debates:
 
「アジアカップ:日中両方の政府が敗者となった」
 ショーン・カーティン (GLOCOMフェロー)
  
   カーティン氏は、サッカーアジアカップでの中国人観客の騒動による敗者は、日中両国の政府であったと指摘する。
   中国政府にとっては、政府高官による事前の呼びかけと、一万人規模の警官を動員しても騒ぎを防げなかったことは、オリンピックの開催はともかく、中国政府の政策批判勃発に対する懸念も引き起こした。一方日本政府にとっては、中国国内の反日感情の強さを再認識する必要に直面し、この面からの対中国政策の見直しが迫られた。
   しかし、このような政治的な面での対立は今後も続くであろうが、日常的な関係は、中国の国際化と相互の経済的関係が強化されることにより、改善されて行くことが期待できる。
英語の原文: "Beijing and Tokyo Both Losers after Asia Cup"
http://www.glocom.org/debates/20040811_curtin_beijing/
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