英氏は、日本にとって米国との関係が重要であることを認めた上で、最近、「日米関係至上主義」とでもいうような、良好な日米関係それ自体が目的のような意見が散見されることを懸念する。良好な日米関係とは米国が満足するような関係であると考えがちになっていないか、日米関係の現実を少し距離を置いて見てみることが、健全な日米関係の将来のために必要である。
日米同盟については、米国が攻撃されたら、日本もその同盟国として米国を守るのが当然であると単純に考えるのではなく、国連の下での平和維持活動へ十全の参加を可能にすることである。また、金融面では、日本が財務省証券の購入を通じ米国の双子の赤字を支える一方で、日本の株式市場は外人投資家の影響下にある、という今の不健全な両国関係を改善する必要がある。そして、憲法問題では、米国として最も興味がある第9条の問題に焦点が当てられ過ぎており、憲法改正論議は、現行憲法が生み出した日本社会の歪みを日本人が自らが自発的に正そうと求めているものであることを再認識すべきである。
英語の原文: "Keep Relations with U.S. in Perspective"
http://www.glocom.org/debates/20040825_hanabusa_keep/