川勝氏は、日本が独自の文明であることを改めて認識しつつ、ASEAN+3からなる国際協力に際しては、「海洋東アジア」という視点で進めるべきであると指摘する。
日本は、マルコ・ポーロの時代からハンチントンに至るまで、中国とも異なる独自の文明として西洋人に捉えられて来た。これには、日本の文明が、他と異なり、森や水を生かしながら築かれたという要素があげられる。そして豊かな漁場が広がる港町が形成され、それらの町を繋ぐ海のネットワークが形成された。
翻ってみれば、今の東アジアというのは、地勢的には、海を中心にして、島と沿岸部の連携で活動が行われている点、中・近世の日本に似ている。中国内陸部は東アジアという観点からは寧ろ例外であり、発展も遅れている。
歴史的教訓としても、日本は大陸に深入りしたときには失敗している。日本が目指すべきは、海洋東アジアであり、ASEAN+3の中心的立場に立って「海の文明」を目指すべきである。
英語の原文: "Japan Should Seek 'Maritime Civilization' in East Asia"
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20040913_kawakatsu_japan/