日本とフィリピンとの間の経済連携協定交渉で、フィリピン政府は、看護士・介護士が日本で働けるように主張しているが、日本政府は厳しい態度を崩していない。日本政府は、日本語での試験を含め日本人と同様の資格要件を備え、その上、全体の人数を百人に限るとの回答を行っている。確かに、介護を行うにはある程度の日本語が必要ではあろうが、例えば実務経験等は現地での実績を勘案するなど、調整の余地は色々あるはずである。むしろ、受け入れ拡大は家事負担、親の介護負担、子育て負担などの軽減を通じて、少子高齢化が進行する日本で必要な女性の出産意欲とキャリア継続の両立を支援することになろう。
外国人が増加すると犯罪が増えるのでは、と心配をする人もいるが、統計をよく見ると、外国人犯罪増加の主な理由は、一部就労を許された留学生にある。もともと収人を当てに留学生として入国し、結局犯罪に走るケースが急増している。外国人労働者を受け入れるかどうかを議論するのではなく、どのような外国人労働者を受け入れるかを議論すべきだ。
日本にも外国人は多数入国してきているが、2002年実績でみると、「興行」資格での滞在者が12万3000人(全体の85%)、一方「医療」はたったの4人である。日本は、「芸能人」の入国には甘くて、医師・看護師などは拒否しているのである。
英語の原文: "Vitalize Japan's Economy with Foreign Workers ? Nurses or Entertainers?"
http://www/opinions/essays/20040928_ito_vitalize/