GLOCOM Platform
debates Media Reviews Tech Reviews Special Topics Books & Journals
Newsletters
(Japanese)
Summary Page
(Japanese)
Search with Google
注目記事 (2004/11/1)

Opinions:
 
「経済の回復持続にはリフレ政策が不可欠」
 岩田規久男 (学習院大学教授)
  
   岩田氏は、漸く底を打った感がある日本経済の回復を持続させるためには、リフレ政策が必要であり、日銀がインフレ目標値を公表しそれにコミットすることが望ましいと主張する。
   10年以上も続いた日本経済停滞の原因に関しては様々な議論が行われてきたが、大きく「構造説派」と「金融政策デフレ説派」に分けられる。このうち、前者については、更に元凶を銀行の貸し出し姿勢或いは不良債権に求める場合に分けられるが、何れにせよこれらの議論では、現在の回復過程を説明することが出来ない。
   一方、「金融政策デフレ説」は、予想実質金利が完全雇用を実現する水準まで低下することが、持続的・安定的な成長に必要、つまり金利の低下または物価の上昇が要請されるとするものであるが、最近の物価連動国債の動きを分析すると、人々のデフレ予想が後退していることが窺われる。この原因には、日銀が、デフレ予想からの脱却にコミットし始めたことが挙げられるが、更にインフレ期待を形成し、経済の回復を促すためには、日銀としては、2−3%のインフレ目標を設定し、それにコミットすることが必要である。
英語の原文: "Reflation Necessary for Sustained Economic Recovery"
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20041101_iwata_reflation/
Debates:
 
「急速に消え行く戦後の金融制度」
 石塚雅彦 (フォーリン・プレスセンター評議員)
  
   石塚氏は、立て続けに起こった表面上は無関係の二つの事象 -- 一つはUFJの告発、もう一つはダイエーの再生機構入り -- を捉え、戦後の復興を支えて来た金融構造が崩壊している印であると指摘する。
   UFJ事件は、大蔵省という全能者の言い分に反抗することは許されず、但しその見返りに競争からの保護を含め擁護を受けていた銀行、という従来の構造はもやは維持できなくなったことの表れである。またダイエーの行き詰まりは、日本の産業を操っていたメインバンクという制度の行き詰まりを表している。
   戦後の復興に寄与したことは認めるが、その後も、大蔵省そしてメインバンクという言わば中央集権制が維持され、この裏腹として日本では直接金融が育たず、間接金融への過度の依存が続いたことが、バブルとその崩壊の立ち直りが遅れた一因とも言えよう。
英語の原文: "Postwar Financial Systems Fading Fast"
http://www.glocom.org/debates/20041028_ishizuka_postwar/
 Top
TOP BACK HOME
Copyright © Japanese Institute of Global Communications