国立大学の独立行政法人化から半年を経たにも関わらず、改革の兆しが殆ど見えない、と佐和氏は述べる。
例えば、各学部の教授の数の割当が廃止されたことによりかなり自由になった学部間の教員の移動は実際には殆ど見られない。また、国立大学の収入の57%は文部科学省からの補助に頼っているにも関わらず、効率化の施策は採られていない。
確かに、一般企業のように人員削減によって経費を縮小することは大学ではより困難である。しかし今後の競争に耐えるには、事務方の効率化を徹底して前線の人員、即ち教員の数を増やさなければならない。しかし、国立大学は夫々事務本部と各学部という二重構造で成り立って居るため、数多くの事務職員を雇っている。
現在の体制を打破するには大きな力が必要だが、それを有する各大学の理事会は自らの権限を行使する気は無いように見える。そうだとすると、十年後にも何も変わっていないかも知れない。
英語の原文: "Universities Lack Will to Reform"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20041108_sawa_universities/