中越地域を襲った大地震は多大な被害をもたらし、2ヶ月後の今日でもまだ余震が完全には収まっていない状況である。国際大学のキャンパスは中越の大和町(現在は町村合併で国際町の一部)に位置しており、今回の地震の影響は大和町の北側で特に大きかった。
しかし幸いにして国際大学は固い岩盤の上にあることと、建物が強固な耐震構造だったために、大学の建物や施設にはほとんど被害がなかった。事実、国際大学のマスタープランを作成した設計会社にチェックしてもらったところ、外壁の表面に多少割れ目ができた程度で、同じ程度の大地震が再び襲っても大丈夫というお墨付きをいただいたところである。
ただし、精神的な影響は大きく、特に国際大学は外国からの留学生が8割を占めているので、これまで地震をまったく経験したことがない学生が多く、大変大きなショックを受けたようである。そのような学生は、軽い余震でも大地震が再度襲ってくるのではないかという恐怖感に苛まれ、夜もよく眠れないという。
これに対して、国際大学では緊急対策本部を設置し、地震など自然災害の再来に備えるとともに、東京からプロのカウンセラーを呼んで、学生の精神面でのケアに当っている。
そのような努力の結果、国際大学ではすでに通常通りの授業が行われており、中越地域全体としても、住民、政府、ボランティアなどの努力によって、ようやく正常な市民生活に戻りつつあるところである。
この間、いろいろな形でご支援と激励をいただいた皆様に感謝の意を表するとともに、新年が皆様にとって、少なくとも自然災害の面でよりよい年であることを祈願して、新年のご挨拶に代えさせていただきたい。
英語の原文: "Our Experience and Lessons in the Chuetsu Earthquake"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20041220_yamazawa_our/