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注目記事 (2005/2/21)

Opinions:
 
「日本は差別主義ではない」
 グレゴリー・クラーク (国際教養大学副学長)
  
   原題を直訳すると「(日本の)人種差別の旗は綻んでいる」となるこの論文で、クラーク氏は、これまで日本が差別主義と非難された事例を幾つか挙げつつ、在日外国人の一部に、日本の感受性を理解しない者がいるということこそ憂慮される、と指摘する。
   1970年代、豪州の作家ポーターは、日本人は感情を表現する能力を持たないロボットのようだ、と評し、当時日本人と結婚した豪州軍人とその混血の二人の娘について、排外的な日本で彼らには未来はない、と断定した。もしポーターが生きて居たら、この娘達が日本を代表する実業家と国会議員に夫々嫁いで居るのをみて驚くだろう。
   1980年代には、日本バッシングが始まり、「ちびくろサンボ」の人形は日本が人種差別の国であるとの米有力紙のキャンペーンが行われた … この人形は元々米国で作られたにも関わらず。そして、東京の繁華街ではあちこちの店に「外国人お断り」の看板が掲げられている、という虚偽の記事がこれも米大衆紙に掲載された。
   日系ブラジル人が多く集まった浜松では、宝石店が頻繁に盗難に会ったため「ブラジル人お断り」の張り紙を出した。小樽では乱暴なロシア人船員に拠る被害に堪りかね、「外国人お断り」の看板を出した浴場があった。そしてこれらの経営者は激しい非難を浴びた。
   しかし小樽に行ってみれば分かる通り、ロシア人船員達は決して悪人では無いかもしれないが、日本の文化や慣習を尊重するという態度は見られず、日本の一般客は自然と遠ざかるであろうことがわかる。浴場経営者は差別主義者などではなく、単に自らのビジネスを守るために看板を掲げたことが理解できる。
   日本人とその社会にも、自分達と同じように感受性があることを認識しない外国人が一部に居ることは、憂慮すべき事態である。

英語の原文: "Racist Banner Looks Frayed"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20050221_clark_racist/
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