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注目記事 (2005/3/22)

Opinions:
 
「教育政策の変更は慎重に」
 石塚雅彦 (フォーリン・プレスセンター評議員)
  
   日本の初中等教育政策にまた改変の話が上がっている。ここ数年、児童・生徒の学力低下が巷で喧伝されるようになり、その元凶として、三年前に文部科学省が採用した「ゆとり教育」が槍玉に挙げられてきた。
   特に、昨年12月にOECDによる15才の国際学力調査結果及びIEAによる小学校4年生と中学校2年生の国際数学・理科教育動向調査結果発表により、日本の子供の学力低下が報告されてから、文部大臣もゆとり教育を見直す旨の発言を行っている。
   しかし、ゆとり教育は、詰め込み教育の反省として、70年代から徐々に導入され、三年前に漸く今の形にまで発展したものである。未だ三年しか経ていない政策の成果を云々するのはまだ早いのではないか。
   特に、今回の騒ぎは、海外の機関の調査結果に大きく反応した面があるが、これは、子供の学力というより、日本人の国際的な地位に拘っていることの反映である。
   公教育のあり方については、まだ三年しか経ていないゆとり教育の善悪をいきなり問うのではなく、例えば、現在のような中央の教育官僚の統制に委ねて置いて良いのか等、まず検討すべき課題があるのではないか。
英語の原文: "Give Education Policy a Chance"
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20050322_ishizuka_give/index.html
Debates:
 
「アジア地域での中国の台頭:うやむやにされている多くの問題」
 ロバート・サッター (ジョージタウン大学教授)
  
   ここ数年、中国によるアジア地域への対応に好感を表明していた専門家や評論家は、先の反国家分裂法の成立により言葉を失った。このような法令の制定は、中国の近代化・積極友好外交・そして地域への影響力の限界を示すものだ。他にも、高句麗の認識に係る韓国との確執・他国政府高官の台湾訪問に対する露骨な圧力・豪州に対する米台豪合同軍事訓練に対する警告・中国の産業が周辺国の特に繊維産業に対し与えている脅威・インド洋津波災害に対しての援助の少なさ、等、中国の限界を示す兆候は多い。
   そもそも、軍事的示威行為に拠るもの以外、中国は本当に地域への影響力を有しているのか。周辺国は煩い中国に対し表面的に迎合しているだけであり、真の国家政策が問われた場合の対応とは異なるという指摘も行われている。経済的にも、1兆ドルの貿易量の内、半分以上は加工貿易であり、中国の実態は、世銀・アジア開銀等から援助を受けている貧しい国である。
   周辺国の多くは、中国の干渉をいなしつつ自国の利益追求のために慎重に行動している。米国のこの地域での重要性と影響力は、中国の「見掛けの台頭」によって損なわれるものではない。
英語の原文: "China's Rise in Asia: Bumps in the Road and Unanswered Questions"
http://www.glocom.org/debates/20050318_sutter_china/
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