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注目記事 (2005/7/4)

Debates:
 
「日韓関係に期待される北東アジアの安定化」
 ブラッド・グロッサーマン (CSISパシフィック・フォーラム調査主任)
 スコット・スナイダー (CSISパシフィック・フォーラム上席研究員)
  
   先の小泉首相と盧武鉉大統領による会談の最大の成果は、そもそも会談が行われたことである。両首脳は率直に見解の相違を認め合うことにより、関係修復の最低限の基盤を維持することが出来た。様々な問題は一回の首脳会談で問題が解決するような内容では無いが、両国は21世紀の世界の中で、より大きな貢献をして行く準備をしている。その過程で、夫々の国で新たなナショナリティを策定する必要が出てきたものと解釈できる。
   過去二十年間、日韓関係を規定して来たのは、韓国の民主化と、民衆レベルでの交流である。この動きは、日本からの文化の流入規制撤廃や2002年ワールドカップの共催を経て、ビザなし渡航や東京ソウル間のシャトル便として結実している。これは、日中関係とは対照的である。日中トップ会談は極めて不安定であり、中国民衆の反日感情を政府が誘導しようとしている。
   最近、著者達が行った調査でも、日本の教科書と相互の領土問題に関し、韓国と中国では反応がかなり異なっている。韓国の若者は日本の負の歴史についての認識を求めており、日本の若者はその願望を知りつつも、その問題は脇に置いて先に進みたいとしている。しかし日中の間では、そもそもそのような相互理解にまで達していない。日韓の民衆レベルの交流がそれなりに進展しているのに対し、日中は未だしの感が強い。日本と中国の政治体制・発展段階の違いを勘案すると、問題はさらに深刻である。

英語の原文: "A Target of Opportunity for Northeast Asia"
http://www.glocom.org/debates/
20050701_glosserman_target/index.html
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