人を見るにはその友人を見よ、という格言があるが、これは国の場合もあてはまるのではないか。では中国の場合はどうか。李肇星外相がASEAN地域フォーラムを無視してミャンマーを訪問する間、胡錦涛主席は北京でジンバブエの独裁者ムガベ大統領を歓待していた。五月には、胡錦涛主席は、アンディジャン州での殺戮事件後僅か二週間の段階で、ウズベキスタンのカリモフ大統領を国賓として招いた。中国はこれまでも、自国民の虐殺を続けるスーダンに対する国連の制裁決議を阻止してきたし、北朝鮮による国際社会の規範から逸脱した核開発や人権侵害に関する安全保障理事会での討議を妨げてきた。どうやら国際社会の除け者国家に共通なことは、皆が友人として中国と付き合っていることだ。
ミャンマーは、軍事政権による人権抑圧が国際社会から批判され、来年が順番で巡ってくる予定だったASEAN議長国を辞退したが、中国は終始、これは国内問題であるとしてミャンマーを庇い、民主化を求める各国に対し反論していた。(もっとも、ミャンマーとしては、議長を辞退することにより、より本質的な問題を回避できたことになる。)
ASEAN地域フォーラム欠席は、米・豪・日・EUなどが出席する会合では中国は主導権を取る事が出来ないからと解釈できよう。一方、ウズベキスタンとの親交は具体的成果を生んでいる。先週、ウズベキスタン政府は同国内の航空基地を米軍が使用することの了承を取り消した。しかし、ジンバブエのムガベ大統領を支持する理由は分からない。アナン国連事務総長も最も激しい口調で非難する同国の混乱にも関わらず、中国は「ムガベ大統領がこの『国内問題』を収拾できると信じている」と表明している。
六カ国協議での議長としての役割、漸くではあるが見直しを実行した通貨制度、そして僅かとはいえ台湾海峡の緊張緩和等、中国が国際社会の一員としての自覚を持ち始めて居る兆候もある。しかし、一方で中国は、世界で最も抑圧的な政権の多くを庇い、或いは積極的に支持している。中国と今後親交を深めようとしている国々は、どんな「友人」達と同席することになるのか、予め慎重に見回してみるのが良いかもしれない。
英語の原文: "China : The Company One Keeps"
http://www.glocom.org/debates/20050803_cossa_china/