堀江元ライブドア社長の逮捕によって、新しい競争社会での勝者という彼の評価が崩壊すると共に、このような存在を許すに至った原因として、そして巷間指摘されるようになってきた国民の間の経済格差の拡大の原因として、小泉改革が槍玉に上がっている。
国民に強い支持を受けた小泉改革とは、そもそも、弱者救済と言うお題目の陰で跋扈する既得権益の無駄を排除しようとするものであった。役人による民間活動への妨害排除、時代遅れの規制の撤廃、市場経済の効率性導入、公的資金への依存脱却等、広い範囲に亘る政策である。
こうしてみると、堀江元社長と言うのは、単に一種の雰囲気作りの役回りを果たしたに過ぎないことが分かる。しかし自民党も浮かれて同氏の人気にあやかろうとしたことは事実であり、この反動が最近の内閣支持率の凋落に現れている。
しかしだからこそここで改めて小泉首相は、本来の改革の趣旨と目標は、堀江事件などには影響されない大きな政策であることを人々に納得させる必要がある。そして今回の事件はまた、国民にとって、改革への真の決意を試される機会となっている。
英語の原文: "Resolve for Reform Comes Under Strain in Livedoor Scandal"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20060227_ishizuka_resolve/