量的金融緩和の解除が実施された。しかし今回の政策転換はせっかく芽生えたインフレ期待をしぼませる懸念があり、時期尚早である。デフレに逆戻りしないよう日銀は当面、インフレ率が2%を超えない限りゼロ金利を継続すべきだ。現時点で日本経済と日銀が直面するリスクは、政策失敗により再びデフレに陥るリスクと、経済運営に対して責任を取らない日銀が中央銀行としての独立性を維持できるかである。デフレ不況が再燃したら、金融政策の責任論に端を発した日銀法再改正論議が出てこよう。
英語の原文: "Set Inflation Target at 2%"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20060403_wakatabe_set/