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注目記事 (2006/4/17)

Opinions:
 
「企業統治:監督と経営の分離が必要」
 若杉敬明  (東京経済大学教授)
  
  コーポレートガバナンス(企業統治)は、株主の代表である取締役会が経営者を監督し、不正や違法行為を防ぎつつ、利益を最大化していくように方向づけることだ。コーポレートガバナンスを実効性あるものとして確立するため、世界で主流となっている考え方が、ガバナンス(監督)とマネジメント(経営)の分離である。
  日本ではこれまで、取締役が代表取締役を選任し、代表取締役が社長を務めるなど、ガバナンスとマネジメントが一体化していた。経営者を監視する立場の取締役が、マネジメントのトップである社長を務めるため、取締役会が社長を監督することは事実上不可能だった。
  バブル崩壊後、日本でもコーポレートガバナンスが盛んに論じられている。だが、現在のコーポレートガバナンス議論は、コンプライアンス(法令順守)の観点だけで語られており、いかに利益を最大化していくかという議論が欠けている。経営と監督の分担を明確にし、法令を遵守しつつ利益を上げて行くことが企業の社会的責任であり、日本企業がグローバリゼーションの競争に勝ち残るためにも必要である。

英語の原文: "Separation of Governance and Management is a Global Trend"
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20060417_wakasugi_separation/
Debates:
 
「豪とNZの影響力低下:中国が荒立てる南太平洋」
 グレッグ・バーンズ  (在豪政治評論家)
  
  オーストラリアとニュージーランドがこれまで多大な努力を傾注してきたことにより、南太平洋の中小諸国の安定と繁栄はこの十年間で著しく進歩した。しかし今月初の温家宝中国首相によるフィージー訪問はこれまでの豪・NZの努力を台無しにしかねない。
  ややもすると機能不全に陥る各国の政権安定化策の一環として、豪・NZの援助は紐付きに重心を置くようになってきた。しかし、南太平洋各国を資源供給地域と見る中国は、地域の健全な政府や安定した経済には興味がない。また中国だけでは無く、台湾もこの地域には無定見な資金援助を行って来ており、それぞれの支持国の奪い合いの様相も呈している。
  豪・NZの安全にとって、南太平洋諸国の安定と繁栄は必須である。豪・NZの援助は、代わりに現地政府の健全な統治と汚職追放を要求するものであり、この政策はこれまでかなりの成果をあげてきた。しかし明らかになった中国と地域諸国の合意を見る限り、各国政府は中国が提案するアンタイド援助に惹かれているようである。豪・NZが折角地域の安定のために費やしてきた努力が水泡に帰する虞がある。

英語の原文: "Undermining Australia and New Zealand: Beijing Stirs Up South Pacific Waves"
http://www.glocom.org/debates/20060412_barns_undermining/
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