今の北朝鮮の政策は六カ国協議の再開を遅らせることである。日米は経済的圧力を加えることによって交渉へ引張り出そうと目論んでいるが、中韓からかなりの支援があるため、北朝鮮は容易には崩れない。この秋予定される日本の首相交代と米の議会選挙の結果を見極めてから取引を開始しようとの腹積もりであろう。しかもこの間、日米の経済的圧力は不当であると主張することにより、協議再開遅延の責任を回避し得ているようにさえ見える。
一方韓国の盧武鉉大統領は、ナショナリズムを鼓舞し権力を自らに集中させるために日本に対して論争を仕掛け、日韓間に緊張を引き起こしている。北朝鮮はこの緊張関係を利用し韓国との連携を図っている。
日米の経済的圧力と日韓間の緊張がもし無かったとしたら、北朝鮮の交渉再開遅延戦術がこうも巧く行くことは無かったであろう。
英語の原文: "US-Japan Pressure and Tokyo-Seoul Tensions Help Pyongyang"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20060612_quinones_us/