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注目記事 (2006/11/13)

Opinions:
 
「北朝鮮問題:米中間選挙後の展開」
 チャドウィック・スミス (日本在住コンサルタント)
  
  去る11月7日の米中間選挙の結果、民主党が上下院とも過半数を制した。多くの有権者はイラク戦争に嫌気がさして新しいリーダーシップを選んだわけであるが、このことが北朝鮮問題に与える影響にも注意すべきである。北朝鮮はすでに今回の選挙結果について「共和党の壊滅的敗北」とコメントしている。
  最近北朝鮮は六カ国協議に復帰するという提案をして再び脚光をあびるようになっている。外交的な手段はある意味で望ましく、また北の提案は真剣であるように見えるが、それでも北朝鮮の戦略的な意図は分析しておくことが重要である。過去を振り返ると北朝鮮は巧妙に参加者の間の亀裂を作り出し、それから何か利益を得ようとしてきた。つまり真の協力関係は、北朝鮮にとって脅威となるのである。
  北朝鮮が突然六カ国協議への復帰を提案してきた一つの理由は、米中間選挙が近づいてきたからであった。実際にもし民主党が二国間交渉を主張するならば、中間選挙の結果は問題の解決を遅らせることになる。北朝鮮はこのことを予想して六カ国協議は再びうまくいかなくなるという読みのもとに、復帰を提案したのかもしれない。
  さらにいえば、多くの民主党員は、今回中国との貿易問題を取り上げて当選した。しかし中国に対する批判は分裂を生み出し、六カ国協議における協力関係にマイナスとなるので、北朝鮮を利するだけである。北朝鮮政府は孤立を続けて、今後とも核兵器を開発し続けるためにこのような分裂を必要としている。もし協力関係が明らかになるなら、また核実験やミサイル実験をやったり、日本などに対して協議への参加を拒否したりするであろう。参加国の間で北朝鮮問題の究極の解決について意見が一致していないことは、事態を一層困難にしている。
  それでは北朝鮮問題の解決とは何であろうか。それは核放棄であるという人がいる。しかし北朝鮮は自分を核保有国と見なしてより強硬な態度でさらなる譲歩を迫ってくるであろう。ただし最近、日米韓が一致して北朝鮮を核保有国とは認めないという声明を出したことは注目すべきで、もし中国とロシアが北の核に対して厳しい態度を取るならば事態は改善の方向に向かうであろう。しかし現実には、中ロは共にそのような態度をとることを躊躇する可能性が高い。
  この出口のない状況はいつまで続くのだろうか。北朝鮮内部に不穏な動きがあることは確かである。北朝鮮国内で抗議デモが起ったり、海外からの投資が増加していることは、何か近々何か国内で変化が出てくるのではないかと思わせる。しかし、今回の核実験に対する制裁は、今後の問題解決を遅らせる可能性がある。北朝鮮は孤立しても、核放棄に対する見返りについて巧妙に交渉していれば体制が維持できるが、国内のビジネスや正当な貿易が増加した場合にはたして体制が維持できるかどうか真に試されるであろう。共産主義の歴史はそれがほぼ不可能であることを示しているのである。

英語の原文: "North Korea: The Next Step in the Aftermath of US Election"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20061113_smith_north/
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