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注目記事 (2006/12/25)

Opinions:
 
「防衛省への昇格が意味するもの」
 石塚雅彦 (フォーリン・プレスセンター評議員)
  
  防衛庁の省への昇格は、単なる名称変更と受け止める向きが多いようであるが、これは、第二次世界大戦での敗北の結果残されたものがまた一つ是正されるということであり、また、反戦思想に強く彩られた戦後のシステムが修正されるということである。
  戦後の防衛力は、1950年、未だ連合軍の占領下、マッカーサー司令官の指示で警察予備隊として発足し、1954年には自衛隊として防衛庁の管轄下に置かれた。しかしその後も日本の防衛機構は二流の扱いを受け続け、庁から省への格上げは何度か検討されたにもかかわらず、その都度平和反戦主義を標榜する野党に葬られてきた。今回、野党である民主党の支持も得て省に格上げされたことは、日本人が漸く戦後思想を乗り越え、防衛について成熟した姿勢で臨むことができるようになったことを意味する。
  省に昇格したことで、担当大臣は閣議に議案を提出する権限や、予算措置を財務大臣と直接交渉する権限を有することになる。自衛隊の海外派遣に際しては、従来は外務省が主導権を握っていたが、今後はより自主性を主張できることになる。実際、今回の省昇格に合わせ、従来は自衛隊の補完機能とされた海外派遣が、その主要機能の一部に加えられた。
  この一連の動きに正面から反対しているのは、今のところごく一部のメディアに限られているように見える。しかし、一般大衆の中には省昇格に不安を持つ者も多く、皆の意見が一致しているとは言い難い。実際ある世論調査によれば、省昇格について賛成25%、反対31%と言う結果が報告されている。
  このような大衆心理を健全と捉えるかどうかはともかく、多くの人々の気持ちの中には、将来、防衛機能が独走を始めてしまう懸念があると言えよう。基本的な問題は、防衛機能をしっかり制御して行くという自らの民主主義の権能について、日本人自身がどの程度自信を持っているかということである。

英語の原文: "Defense Agency Upgrade More than Mere Name Change"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20061225_ishizuka_defense/
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