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注目記事(2008/9/29)

Debate:
 
「麻生首相への提言:日米韓の協力関係構築を」
  ブラッド・グロッサーマン、スコット・シュナイダー (CSISパシフィック・フォーラム)
  
  グロッサーマンとシュナイダー両氏は英語の論文(以下のリンク参照)において、麻生新首相に対して日米韓の協力関係を構築し強化することを提言している。その要旨は以下の通りである。
  麻生氏が日本の新しい首相に就任したが、政治的にも経済的にも多くの難しい問題に直面している。しかし、新政権が米国を含めた日本と韓国との関係強化に向けて大胆なイニシアティブをとるならば、国内外で重要な成果をあげる可能性があるというのが、ここ1年CSISパシフィック・フォーラムが日本と韓国の有識者に行なった調査によって明らかになった。
  このことは、これまでの日韓間の問題や麻生氏の韓国に関する発言などからするとあまり説得力がないようにみえるかもしれないが、実は十分な根拠があり、またそのようなイニシアティブが実現すれば、米国も協力して日韓関係およびその周辺地域の安全保障に貢献できるようになるであろう。
  十分な根拠とは、安倍元首相と福田前首相が日韓関係を改善したこと、日韓関係は少なくとも両国のリーダーや専門家の間ではその改善の必要性が強く認識されていること、さらにお互いの国に対する国民感情は思ったよりも良好であることなどが挙げられる。
  もし日韓間の領土問題や歴史問題の悪化を防げるならば、両国の関係の改善をさらに深めるとともに、米国を加えた幅広い分野での協力関係を強化し、制度化することも可能である。北朝鮮問題に関する日米韓三カ国調整グループ会合(TOCG)がその一例である。この三カ国が参加する太平洋司令部の安全保障演習や、また地域外における活動に協力して当ることも、お互いの関係を強めるきっかけとなるであろう。
  もちろん、日韓関係を維持し強化し拡大しているためには、両国ともさらなる努力が必要不可欠である。日本側では、韓国に近づくイニシアティブを取るとともに、韓国民の反感を買う言動を慎むことがまず望ましい方向への第一歩といえる。韓国側でも反日的な感情を政治的に利用することを慎むべきである。
  竹島問題では、日本がその主張を放棄することも、また武力で占拠することも考えられないので、韓国としては竹島についての日本からの発言に対しては、そこがあくまで自分たちの領土であり、手放すつもりはないと主張し続ければよく、行き過ぎた反日デモなどを行うことは、海外での韓国のイメージを損なうだけである。
  さらに中国は、日米韓の協力関係強化に対して中国封じ込め戦略への道であるとして反対を表明するであろうが、この三カ国の協力は決して中国に向けられたものではない。むしろ三カ国の共通の利益である民主主義や繁栄を目的としているので、中国を共通の敵とみなす理由はないといえよう。
  これらの障害を乗り越えて三カ国の協力強化へのイニシアティブをとることのメリットは大きい。麻生首相は真のリーダーシップを示すことができるし、また国内外における自分のイメージを変えることに役立つであろう。さらに日米同盟に基づいた地域的安全保障のために韓国の役割を加えることができるとともに、共通の価値を尊重する問題解決型の多国間協力関係を構築する上でのスタンダードとなるかもしれない。そうなるかどうかは、日韓両国の政治リーダーが、自分たちの信念に基づいた行動を取る用意があるかどうかにかかっていると、グロッサーマンとシュナイダー両氏は述べている。

英語の原文: Memo to Prime Minister Aso: Build Trilateralism
http://www.glocom.org/debates/20080926_gloss_memo/
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