5月25日の北朝鮮の二回目の核実験は、予想出来ない事ではなかった。何としても核抑止力を強化すると脅した後の4月28日に、平壌は明らかに国際社会への挑発的行動を行き着くところまでやるというシグナルを送り、4月5日の問題の多いミサイル発射実験に続いて、4月14日に六カ国協議から離脱し、核施設を復活させると宣言した。その結果、二回目の核実験があったが、親愛なる指導者の乱心における次のステップは、中国政府を驚かせることはなかった。むしろ今の時期に北京を唖然とさせたのは、北朝鮮の核実験のやり方である。
北朝鮮は習慣的に一貫して、他国の核兵器保有への野心とそれへの好戦的な行動を非難してきた。4月13日に北朝鮮は、宇宙空間の平和的探査にかかわる権利の否定として国連安全保障理事会の議長声明を公然と非難し、これを六者会談から離脱する口実とした。平壌は、国連安保理が(北朝鮮への)批判を取り下げることを拒絶したことを、もうひとつの核実験を正統化するために使った。しかし、これらは見当違いである。なぜなら北朝鮮はどうやって僅か一月以内、おそらく4月28日から5月25日の間に、核実験の準備を完了させることが出来たのか。北朝鮮はどうやってそのように大慌てで動くことが出来、二回目の核爆発を行なうことが出来たのか?もしこの計算が正しければ、北朝鮮は二回目の核爆発を昨年の終わりまでに決断していたはずである。国際社会に罪を被せることは、無神経というよりもむしろ、絶望的な自暴自棄から来たといえる。
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北朝鮮の挑発に答えるのに、中国はどのような政策を好むかを語るのは、まだ早過ぎる。北の核能力は交渉によって取り除くことが出来るという中国の幻想の崩壊は、中国の政策において、迅速で根本的な変革を齎すことは大いにあり得るだろう。その理由は簡単である。北朝鮮の核兵器保有はそれが一時的で、結局は消えていくだろうと信じられている限りにおいては、それほど恐ろしいものではない。しかし、北朝鮮の秘密裏に合法的に事実上の核保有国になるという陰謀は、不注意にも中国の「最後の一線」を越え、不可避的、破局的に多国間協議の壊滅に導くであろう。北京は非効率な六者協議による外交的障害には耐えてきたが、真の意味での核保有国の北朝鮮を受け入れる準備は出来ていない。例外的に中国の梁光烈国防相が国際社会に加わり、北朝鮮の核実験を公然と非難した。これは北に対する中国の政策が転換するであろう重要な合図である。
おそらく、北京は他国と充分に協力し、共通の懸念に答える新たな国連安保理の決議を求めるだろう。けれども今回は、安保理が北にはより強硬な政策が相応しいと判断したなら、北京は北を助けることはないであろう。金正日の愚行は、北から国際社会における最後の大切な友人を奪い、劇的なアジアの新たな団結を齎したといえる。
(朱論文の全文については、以下を参照)
英語の原文:
North Korea Nuclear Test and Cornered China
http://www.glocom.org/debates/20090612_zhu_north/