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注目記事 (2003/7/28)

Opinions:
 
近代社会の進化論:ラストモダンの視点」 公文俊平 (国際大学GLOCOM所長)
  
公文氏は、現在の社会が近代(モダン)から脱近代(ポストモダン)の文明に移行しているという一般の見方に対して、我々はまだ近代の末期(ラストモダン)におり、近代文明の成熟は「情報化」という新しい智力増進の方法を生み出し、コンピューター産業に主導された成熟期を迎えるとともに、情報化の側面では新しい社会的ゲームである「智のゲーム」を生み出しつつあり、ネチズンやNGOおよびNPOに先導された「ネチズン革命」が進行していると主張する。その際に重要なポイントは、誰がいかに情報インフラと端末とアプリケーションを作り出して統治し、「アイデア革命」を自由に起こすとともに、その成果をできるだけ平等に分けることを可能にするかということであると述べている。
英語の原文: "An Evolutionary View of Modernization: The Last Modern Perspective"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20030728_kumon_evolutionary/
 詳しい記事
 
Debates:
 
「日本の競争力ランキング:マイケル・ポーターの視点」
ダニエル・ドーラン (コミュニケーション・ジャパン代表)
  
ドーラン氏は、IMDなどによる日本の国際競争力ランキングが不当に低すぎるという議論に対して、マイケル・ポーター・ハーバード大学教授の議論を引用し、一国の競争力は企業とより広いビジネス環境の質との相互作用に依存し、そのビジネス環境としては、研究機関、情報環境、研究者、インフラなどの質が含まれる。それらの項目について、日本のランキングは国際的にかなり低いために、国際的ランキングが低くなると説明している。
英語の原文: "A Porterian Perspective on Japan's Global Competitiveness Ranking"
http://www.glocom.org/debates/20030724_dolan_porterian/
 
Special Topics:
 
「携帯市場の国際比較:コンファレンス報告」 宮尾尊弘 (グローコム教授)
  
宮尾氏は、去る7月16日にロスのUSCで開催した携帯市場の国際比較に関するコンファレンスの報告で、何人かのパネリストが、米国の携帯市場がアジアや欧州に比べて遅れをとっている理由は、米国が車社会であるとか携帯端末が小さすぎるといった俗説ではなく、米国企業のマーケティングやサービス不足が大きな原因であると主張したことを指摘。その一方で、米国市場での競争が新しい携帯の技術を生みだすには適していること、さらに中国が今後独自の携帯の国際スタンダードを生み出す可能性などが報告されている。
英語の原文: "GLOCOM-USC-JETRO Mobile Conference: July 16, 2003"
http://www.glocom.org/special_topics/activity_rep/
200307_miyao_usc_jetro/
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