自衛隊をイラクに派遣できるように法的な整備はなされたが、イラク情勢が危険すぎるという理由から自衛隊が実際に派遣される可能性がほとんどない現在の日本の状況に対して、加瀬氏は、もともと法案が通った時点でイラク情勢が危険なことは分かっていたので、いまさら危険を理由に派遣しないことの問題点を指摘する。さらに日本政府が、イラクに自衛隊を派遣すれば、日本が米国の北朝鮮政策により大きな影響を及ぼすことが可能となり、軍事的対立を回避できると考えたとすれば、そのような仮定そのものが誤っており、中近東で巨額な戦費負担をしている米国がさらにアジアで戦争を起こすはずがない。日本はより現実的な立場から、イラクで苦労している米軍を助けるような実際的な貢献が必要である、と加瀬氏は主張する。
英語の原文: "Realistic view needed for practical SDF role in Iraq"
http://www.glocom.org/debates/20030903_kase_realistic/