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注目記事 (2003/9/22)

Opinions:
 
さらなる改革が必要な日本経済
牛尾治朗 (ウシオ電機会長、経済財政諮問会議民間議員)
  
牛尾氏は、近い将来日本の経済活性化の本番が来るという明るい見通しを持っている。規制撤廃をさらに推し進めること、そして地方への権限委譲と特殊法人の民営化をこの先2年で実現することにより、官から民へ、国から地方へという民間主導型社会に変わることができ、それが成長を推進することになる。こうして小さな政府の骨格を確立した後に、消費税率を引き上げて、高齢化社会への準備を行うべきである。今の日本の繁栄のかなりの部分が、中曽根内閣時代の国鉄・電電・専売の民営化によっていることを改めて認識すれば、この上はさらに改革を進め、日本をよりグローバルな経済にすることにより、当時と同様の効果をあげることに期待が持てる、と牛尾氏は指摘する。
英語の原文: "Reform Must Continue in Japan"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20030922_ushio_reform/
 詳しい記事
 
Debates:
 
「混迷する日本の経済政策」 グレゴリー・クラーク (多摩大学名誉学長)
  
クラーク氏は、自民党総裁選挙の際の議論に関連して、小泉政権の経済政策の誤りを指摘し、最近の景気回復の兆候は小泉改革とは無関係であり、それは海外景気の要因が大きく、消費者による不況疲れの反動と外国人投資家による投機が加わって動きが出ているにすぎないと主張する。小泉改革は、財政赤字の縮小にも金融機関の改革にも失敗し、結果として政府の役割を増大させ、逆に共産主義の中国のほうが成長主義を取ることで不良債権処理などをよりうまく進めているとクラーク氏は述べている。
英語の原文: "Economic policies confused"
http://www.glocom.org/debates/20030922_clark_economic/
 
 
「日本における高齢者の生活設計の視点」
ダニエル・ドーラン (Communication Japan 代表)
  
ドーラン氏は日本の高齢化が進む中で、見落とされがちな点として、高齢者の生活設計全体の視点を取り入れて、生活の質を高めるべきであると主張する。例えば、栄養、喫煙、飲酒、運動、成人病、社会統合、性差別問題といった要因について適切な政策と支援体制を整備することが高齢者の社会とのかかわりをより生産的にすることに役立つという。このような要因について日本は高齢者にとって比較的よい環境になっているために平均寿命も世界一長いといえるが、今後とも高齢化がさらに進むにつれて、幼児期からこのような要因について配慮していくことが高齢化社会を乗り切るためにこれまで以上に必要であるとドーラン氏は述べている。
英語の原文: "A Life Course Aging Perspective for Japan"
http://www.glocom.org/debates/20030922_dolan_life/
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