サクール氏と猪口氏は、日本とアジアの関係を英国と欧州との関係と比べる議論を概観した後に、結論として、日本と英国はそれぞれアジアや欧州と自分達を同一視するよりも、むしろ米国との同盟関係を重視する立場を取った点では似ているが、日本とアジアの将来を考えた場合には、日本と英国の違いに焦点を当てたほうが、理解が深まると指摘する。特に日本はアジアにおいて圧倒的な経済力を持っており、アジア諸国に多額の援助を与えている点で、英国の欧州に対する関係とは異なっている。したがって、アジアの統合があるとすれば日本が中心にならざるをえず、また経済力の違いが日本とアジア諸国との間の自由貿易協定への交渉を難しくしていると述べている。
英語の原文: "Is Japan to mainland Asia what Britain is to Europe?"
http://www.glocom.org/debates/20031113_thakur_inoguchi/