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新年の抱負:「GLOCOM国際情報発信」に寄せて

公文俊平 (国際大学GLOCOM所長)


オリジナルの英文:
"New Year's Wish for Our GLOCOM Platform"
http://www.glocom.org/opinions/essays/200301_kumon_new_year/


要 旨


21世紀も3年目を迎えて、いわゆる「第3次産業革命」はその突破局面に入りつつあり、情報ネットワークはますますユビキタスな環境を提供するようになり、コンテンツはもっぱら私たちユーザーが作り出すようになってきている。実際に、私たちの周りには携帯などのパソコン以外の端末が多くみられ、これらがブロードバンド通信の不可欠な一環になることは時間の問題である。また私たちは、ビジュアルな手法を含むマルチメディア的環境の中で、自己表現のために自分たちでコンテンツを作り出すことに熱心になっている。それと同時に、自分のコミュニティや国際社会の出来事にITを使って、直接参加できることに気づきつつある。


このようなトレンドの中で、私どもGLOCOMがなすべきことは、誰もが自分のローカルおよびグローバルな問題に対する意見を表明し、交換できるような機会をもっと提供することである。これまでは「GLOCOM国際情報発信」(www.glocom.org)というバーチャルな場を提供し、日本のオピニオンリーダーの意見を掲載し、日本の国内および国際的問題を取り上げるように努力してきた。しかし、私たちの情報発信活動も、情報革命の新しい段階に対応するレベルにまで引き上げなければならない。それについて、以下が私どもの希望である。


第1に、国際情報発信プラットフォームでは、オピニオンリーダーの意見に加えて、誰もが参加できるフォーラムを提供して、自分たちが興味を持つ問題について読者自身が双方向の意見交換を積極的に行うことを支援するとともに、そうなることを期待したい。そうなれば、政治、経済、技術の問題だけでなく、より広い社会およびコミュニティの問題が議論されて、情報発信プラットフォームのコンテンツも多彩なものになるであろう。例えば、CAN(コミュニティ・エリア・ネットワーク)のメンバーが議論に参加して、海外の同様なグループのメンバーと意見交換を行い、自分たちや社会一般のために役立つ情報ネットワークを自分たちでどのように築くかについて相互に学び合うようになるかもしれない。


第2に、マルチメディア的な環境のもとで、AV技術を活用して自分たちの意見を十分に表明していきたい。特に、ビデオ・オンデマンドや生中継のストリーミング技術を国際情報発信プラットフォームで常に利用して、より多くの人々の学習や創造のプロセスにかかわっていくことを希望する。GLOCOMの立場からは、自分たちでビデオのコンテンツを作り、国際大学のキャンパスの研究者仲間や学生と交流することで、有効なeラーニングのプログラムを開発することを助けるために利用することも考えられる。


第3に、国際情報発信のコンテンツの面でも言語の面でも真の意味で「グローバル」になり、日本と米国だけでなく、アジア、欧州、その他の地域にも焦点を当てることが希望である。例えば、欧州からのニュースや意見を「EUレポート」に掲載しているように、「アジア・レポート」といったセクションを創設して、アジアからのニュースや意見を掲載することも考えられる。さらに少なくとも主要なコンテンツの要旨は、日本語、英語、中国語、フランス語やその他の主要な言語で、同時に情報発信プラットフォームに掲載したい。ここでもまた国際大学との関係を活用して、世界各国から集まっている教授陣や学生たちが情報発信プラットフォームのコンテンツの要旨を翻訳したり、あるいは直接に投稿したりして協力してくれるかもしれない。


さらなる希望としては、今年は海外での国際会議を昨年以上に活発に行い、少なくともアジアで1回、欧州で1回開催して、自分たちのメッセージを伝えていきたい。バーチャルなコミュニケーションを実際のフェース・トゥー・フェースの交流で補完することは非常に重要である。それが私たちの研究所「グローバル・コミュニケーション・センター」が10年ほど前に創設された際の設立趣旨であり、ついにそれが情報発信プラットフォームの活動として実現可能になったのである。しかしそれが現実のものになるかどうかは、私たちの読者がグローバルな規模で積極的に協力して参加してくれるかどうかにかかっている。そうなることが、私たちの新年の夢なのである。

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