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注目記事 (2003/6/12)

Opinions:
 
『普通の大国』としての日本再考」 猪口 孝 (東京大学教授)
  
猪口氏は、現在の日本が「正常でない国」から「正常な国」へ、また「普通でない大国」から「普通の大国」への歴史的な転換期にあるという。特に、日本が80年代には米国主導の国際政治経済体制の「サポーター」として、90年代にはドイツとならんで「グローバルな文民国家」として、また21世紀にはテロと戦う米国と運命を共にする「自発的なパートナー」としての役割を果たしつつ、国際的な政治潮流の変化のなかで、徐々に「普通の大国」へと転換する道を歩んでいると述べている。
英語の原文: "Rethinking Japan as an Ordinary Power: Abridged Version"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20030612_inoguchi_rethinking/
 詳しい記事
 
Media Reviews:
 
「有事関連法案と人権」 ジョン・デボア (GLOCOMリサーチ・アソシエイツ)
  
先週世界のメディアはいっせいに日本が軍事力による安全保障への第一歩を踏み出したとして、日本が武力攻撃を受けた際に反撃する法的な枠組みを初めて整備したことを報道した。小泉首相はこの有事関連法について、国家と国民の安全を保証し、世界の平和と安定に資すると述べたが、これを人権の観点から見ると問題が多く、特に安全保障や諜報活動のために市民の権利を制約することは、9月11日のテロ以降の米国と同じ方向に進むことを意味し、国民の権利を抑圧することはかえってそれが国の不安定性を導く危険もあるとデボア氏は主張する。
英語の原文: "Contingency Bills and Human Rights"
http://www.glocom.org/media_reviews/w_review/
20030610_weekly_review97/

 
Special Topics:
 
「2003年の人口動向 - 第2部:出生率と結婚・離婚率」 
ショーン・カーティン (GLOCOMフェロー)
  
6月上旬に発表された人口動態統計によれば、2002年における日本の出生率は過去最低を記録し、結婚率は減少する一方、離婚率は急増している。そのために少子化の傾向に拍車がかかるばかりで、それが年金制度など経済に深刻な影響を及ぼしつつある。離婚の増加は母子家庭を増やし、そのような家計の貧困の問題を引き起こしている。政府がこのような問題に有効に取り組めるかどうかが、将来の日本経済の命運を左右するであろうと、カーティン氏は警告する。
英語の原文: "Family Trends in 2003 – Part Two: Population Data Shows Declining Birthrates, Fewer Marriages and More Divorces"
http://www.glocom.org/special_topics/social_trends/
20030611_trends_s41/
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